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好き心少なからず

第24章 君さえ良ければ~姉ヶ崎×田口~

テニスラケットのグリップが太すぎて、上手く握れない。

変に力が入るからか…すぐに手が痛くなっちゃう。

どうしたもんなのかな…

考えても答えは出なくて、ため息だけが出てくる。

今日だけでも何回目?ってくらい。

ため息をついたあと、思わず笑ってしまうと

「姉ヶ崎さん…?」

急に呼び掛けられて、驚いて顔を上げた。

「あ…」

「やっぱり」

そこには、自転車に跨がったまま、こっちを見ている田口君がいた。

「こんな所で…またバス待ち?」

咎めるような口調に、きょとんと田口君を見返す。

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