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好き心少なからず

第29章 球技大会3(栗原)

先輩のことに関しては、負けられない!!

…ってか、負けたくない!!

「栗原くん?」

耳馴染みのいい声で呼ばれて、急いでその方向を向けば

「あ、せんぱ…」

言いかけて、言葉に詰まる。

いつも見る先輩は制服姿だ。

だけど、目の前にいる先輩は、体操服を着ている。

球技大会なんだから、体操服姿なのは当たり前だ。

俺だってそうなんだし。

だけど…

「うわ。ジャージ姿、初めて見た」

思わず呟くと、先輩が瞬きをした。

「え?ヘン?」

「全然!むしろ…」

言いかけて、あー…とか言って誤魔化す。

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