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好き心少なからず

第32章 球技大会6(田口)

「まあ、でも勝ちは勝ちだからな。おめでとう」

「うん、ありがとう」

カズにお礼を言って唇を引き上げる。

そして、カズの隣を見れば…

「姉ヶ崎さん?」

「え?」

「どうかした?顔、ひきつってる」

「え!?あ!!」

僕の指摘に、姉ヶ崎さんは慌てて両頬に手を当てた。

「次、試合だから…」

あ…そういう事か。

緊張してるのかな?

どう発破をかけるか考えていると、カズが姉ヶ崎さんの背を平手で軽く叩いた。

「ひゃっ!?」

「ちい、大丈夫だって!」

カズは笑いを浮かべたまま、何故だか僕を指差した。

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