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好き心少なからず

第32章 球技大会6(田口)

「今の試合の負け方を見たら、この後ちいがどんなミスしても話にも上がらないさ」

それ…どういう意味だ?

僕が手加減しなかったからか?

それとも、姉ヶ崎さんが同じように負けるって話なのか?

僕のやり方に対してはともかく、姉ヶ崎さんを見下すような言い方は駄目だろ。

「カズ、それ、ひどいだろ?」

「ううん、大丈夫」

僕の非難に、姉ヶ崎さんは首を振って

「あ、大丈夫じゃなくて…えっと…平気?」

首を傾けて、僕を窺うような視線を向けてきた。

平気って…。

絶対、思ってなかっただろ?

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