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好き心少なからず

第38章 法事~曽根崎×二階堂~

嫌な出来事だから覚えてるって?

顔をしかめた俺に、アヤはにっこりと微笑む。

「私、怒られたことないから」

「ああ、そうかよ」

だからじいさんを覚えてなくても仕方ないって?

人の記憶を不幸みたいに言いやがって!!

ムッとしたままお茶を飲む。

こんなことで溜飲が下がる訳じゃないけど…

すると、場を取りなすようにタエが質問してきた。

「ダイちゃん、ダイちゃんは将来どうするの?」

「将来?」

あまりにもざっくりとした問いに、こっちも聞き返してしまう。

「大学、行くの?」

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