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好き心少なからず

第38章 法事~曽根崎×二階堂~

手をパタパタと振りながら、タエの母親が近付いてきた。

「お母さん。どうしたの?」

聞いたタエを完全に無視して、アヤに視線を固定すると

「皆にお茶と水菓子配るの手伝ってもらえる?」

語尾は疑問系なのに、口調は命令調で…

有無を言わさない雰囲気に、思わず苦笑いを浮かべると、アヤはにこりと笑った。

「はい、いいですよ?」

すかさずタエが手を上げる。

「あたしも手伝おうか?」

「アンタはいいわ」

間髪入れずの返答に、タエがポカンとする。

「へ!?」

「アヤちゃんだけで充分手が足りるから」

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