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好き心少なからず

第6章 読書タイム~栗原×速水~

「その本…」

彼女の目線は、今借りた本に注がれていて…

「続き、入ったんだ…」

「そうよ。今月の新刊」

橘さんはにこっと笑って、それに彼女も目元を緩めた。

あ…俺じゃなくて、本ね。

そうだよな。俺の事知ってる訳ないよな。

ドキドキした自分が馬鹿みたいで、クスッと笑みをこぼすと

「栗原くんがリクエストしてくれたお陰でね」

そう言って、橘さんは俺の手を引っ張った。

「え!?」

「その話、好きなの?」

彼女に不思議そうに問われて、頭に血が上る。

「はっ…はい!!好きです!!」

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