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好き心少なからず

第6章 読書タイム~栗原×速水~

戸惑う俺に、彼女が目を丸くした。

「いつも朝見かけるから」

そうか。俺の事、頭に残ってたんだ。

「バスの中でいつも集中して小説読んでるよね」

う…。

彼女に気付かれないように、顔を本で隠すようにしてたからな。

「いつも楽しそうに本を読んでたから、どんな本を読んでるのかなって思って」

え…。

「それでさっきの本を読んだら面白かった」

同じ、だ。

君も、俺に興味を持ってくれたんだ?

俺の事なんか全然知らないと思ってたのに、君の中に俺が多少なりとも存在してた。

それがすっげぇ嬉しい。

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