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好き心少なからず

第7章 答え合わせ~新田×二階堂~

「え…何が?」

聞き返すと、八神さんは眉を寄せた。

「間が悪かったかな、って」

「いいよ、変な気、使わなくて」

むしろ、絢音じゃなかった事にホッとしてる。

泣いて飛び出していった絢音に、何て言ったらいいんだろう。

背もたれに体を預けて天井を見上げると

「忘れ物取りに来ただけだから」

八神さんが急ぎ足で自分の机に向かった。

八神さんは僕の右斜め前の席だ。

何の気無しにその動きを目で追うと、視線に気付いたのか、八神さんが僕を見て

「絢音と付き合ってるの?」

唐突な質問に、かなり狼狽えてしまった。

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