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好き心少なからず

第7章 答え合わせ~新田×二階堂~

「なっ…!?」

焦って、何て言ったらいいのか考えていると

「仲いいんだなって思って」

そう言って微笑むと

「女子の、下の名前呼び捨てって、なんかいいよね」

斜め上に視線をさまよわせて、何かを思い返してるように呟いて…

「え…?」

この教室には僕しかいないのに。

僕に対しての言葉じゃないみたいな言い方に聞こえる。

思わず聞き返すと、八神さんは笑みを隠し

「ごめん、邪魔したよね」

机の中の何かを鞄に入れると、スタスタと教室を横切っていった。

そして、廊下に出かけて…

くるりと僕の方を向いた。

「絢音、廊下にいるけど」

…は?

「呼ぼうか?それとも、さっき聞いた言葉、伝えようか?」

さっき?

さっきって…!!

「いや、いいから。自分でどうにかする」

片手で顔を隠して、反対の手で八神さんを拝む。

そんな僕に、八神さんは目を細めると

「了解。お疲れ様」

それだけを残して、教室を出ていった。

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