君を愛してる~十年越しの想い~
第1章 君を愛してる~十年越しの想い~
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「猫カフェ楽しかったね」
「ね~モフモフ、フワフワしてたッ!」
行った猫カフェでは、猫を触りながらも目線は抄華だった。抄華の膝の上に座る猫を見て、私が猫になりたい、抄華に飼われる猫はどれほど幸せなんだろうか……なんて、そんなことを考えていた。
「あぁ~…抄ちゃんっ!」
「誰だっけ?」
「もぉ~ひどぉい!!」
「ウソウソ、田中ちゃんでしょ」
「元気してるの~? まだアレしてるの? なんだっけ難しいやつ!」
私の知らない人と私の知らない抄華の会話が繰り広げられていく。話を聞いているとどうやら大学時代の友達のようだ。私は叶わぬ夢を追い求めて専門学校に行った。夢も叶わない。恋も叶わない。こんなことにさえ嫉妬してしまう自分が嫌だ。