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暗がりの中の灯火

第2章 Rose Ber

「待って!」

「はい?」

 後ろから悠希さんの声がして私は振り向いた。

「君、人に名前聞いて自分は教えないなんて失礼じゃない?」

「あっ……すみません、葵(アオイ)です」

「ん、ありがとう。葵ちゃん、また来てね」

「はい」

 私は店を後にした。

“Close”

 ドアにかかるプレートはそう裏返された。営業時間は夜八時から深夜二時。今度は、もっと早い時間に来よう。これが私と悠希さんの出会いだった。
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