性犯罪者の本音
第2章 性犯罪者ファイル(1)
怒鳴り声を浴びせられた瞬間、わたしは釣り上げられた魚のように、全身をビクリと跳ねさせて、両手で頭を抱えていた。
いったいこれからなにをされるのだろう?暴力を振るわれるのだろうか?それとも、まさかレイプ?
さまざまな恐怖が頭をよぎった。その恐怖が、この場所から逃げようとするわたしの足を、がんじがらめに縛りつける。
頭をフル回転させて、この状況から逃れる方法を探った。
ところが、そんなわたしの心配をよそに、裕太は異常なほど甘ったるい声でささやきかけてきた。
「ごめんね、つい、大きな声を出してしまって、でもあんたが悪いんだよ?勝手に目を開けようとするから…」
「は?」(それはあなたの勘違いでしよ?だってわたしは言われた通り、ずっと目を閉じていたんだから…)
そんな言葉がのど元まで出かかっていた。けれど口には出さなかった。理由はもちろん、下手に反論して裕太の機嫌を損ねないようにするためだ。
「…もう怒鳴ったりしないから、目を閉じたままボクの質問に答えてくれる?」
「わかった」(なんでこんなに目を閉じさせることにこだわるわけ?)
「じゃあさっそく、質問するから」
「うん、いいよ」(まっ、いっか…)
「もし目を閉じているあいだ、ずっとボクにスカートの中を覗かれていたとしたらどんな気分?」
「え!?」
「他人を支配することが、なぜ覗きにつながるのか知りたかったんだよね?いまから説明するからよく聞いて」