両親の部屋を盗撮したらとんでもない秘密を……。
第1章 プロローグ
「なんだこれ?4000円しかねぇじゃねーか」
「あ、あの、じつは昨日の帰り、下駄箱のところで小田くんに3000円貸してくれって頼まれたから、いまはこれだけしか…ごめん…」
「ったくお前ってバカだなぁ、あの小田が金を返すと思うか?ていうか、俺と小田のどっちが大事なわけ?」
「そ、それはもちろん竹中くん…」
僕は心にもない言葉を口にする。本当はどっちも大嫌いだ。なぜなら、どっちもぜったいお金を返してくれないからだ。
そればかりか、日常的にひどい暴力をふるってくる。
そう、僕にとって彼らは"私立・徳川中学"の頂点に君臨する「チーム・イジメっ子」のひとりに過ぎない。もちろん僕は最底辺のイジメられっ子だ。
世間では、イジメられっ子は、華奢でひ弱なモヤシっ子みたいなイメージだろうけど、少なくとも僕は違う。
決してガッチリしてるわけじゃないけど、いちおう身長も175センチあるし、運動神経もいいほうだと思う。
だったらぶっ飛ばせばいいじゃないかと思うだろう。
もちろん、ぶっ飛ばせるなら僕もぶっ飛ばしてやりたい。でも200%間違いなく秒殺されるだろう。
だって竹中は中学生のくせに身長が190センチ。体重が110キロもあるボスゴリラみたいな化け物なんだから。
竹中に限らず、チーム・イジメっ子は、いろんな意味で化け物ぞろいの危険集団だ。
「まあいい、残りの金は明日まで待ってやる。とりあえず口を開けろ」
「え、」
「こぼしたりしたら百叩きの刑だからな」
薄笑いを浮かべた竹中は、そう言ってズボンのファスナーを下げて、ナマズみたいに巨大な性器をポロリと取りだした。