両親の部屋を盗撮したらとんでもない秘密を……。
第1章 プロローグ
どれくらい時間が経ったのだろう?たぶん数十秒くらいだったと思うけど、おそらく意識がぶっ飛んでいたせいで、なんだか長い眠りから覚めたみたいに頭がぼーっとする。
ピントのズレた視線の先には、ニタニタ笑いながらズボンの中に性器を収めている竹中の姿があった。
「どうだった黒木ちゃん。俺の絞りたて生ビールの味は?けっこう美味かっただろ」
エコーのかかった竹中の声で、僕は徐々に現実に引き戻されていく。
それと同時に、これでやっと家に帰ることができる。という期待感が、僕にわずかな生命パワーを与えた。
僕は老人みたいにふらつきながら立ち上がり、こう言いかけた。
竹中くん、もう帰っていい?
しかし、僕がその言葉を発する前に、竹中の声が無慈悲にバッサリさえぎった。
「ところで、お前の母さんってスゲェ美人らしいな」
失神寸前の僕は、小便臭いヨダレをダラダラたらしながら、白目でコクリとうなずいた。
悪い予感が胸の奥でザワザワ騒ぐ。
「明日、お前の母さんのシミ付きパンツをパクってこいよ」
「…………」