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赤い鴉

第4章 sunny

「迅…」
タケルはベッドに寝転ぶとスラックスを脱いで下半身に手を伸ばす。ゆるゆると自分のぺニスを弄り始める。
「あっ…ん…」
最初は躊躇いがちだった手が激しく動き出す。
「く、九条…」
迅の顔を思い出す、長い睫毛に端整な顔立ち、スラッとした肢体に細長い綺麗な指。
「あっ…んんっ…九条…もっ…もっと」
タケルは机の引き出しからゴツゴツしたバイブを取り出す。
「くっ…はっ…あぁ!!!」
タケルは自ら後腔にバイブを挿入した。
「んっ…あっ…九条…」
『綾瀬』
あの凛した声を思い出しタケルの手はさらに速度を上げていく。ぺニスを扱きながらバイブも前立腺に当たるように動かす。
「あっ…ダメ…ん…あ…イク…あっ…」
タケルは欲を放つ…白濁がシーツを汚す。
「あ…あああああ!!!」
熱が冷めて自分がとんでもないことをしたことに気付きタケルは奇声を上げる。
(お、俺!!九条で!?うわああああ!?)




「綾瀬…大丈夫か?」
「だ、大丈夫…」
顔色の悪いタケルを迅が気遣う。
「……また誰かに襲われたのか?」
「……違う…違うよ…」
追試を終えた放課後…いつものようにタケルをマンションに送り届けに来た迅…タケルは迅を部屋に上げアイスコーヒーを入れる。
「そ、それより九条…勉強教えてくれてありがとな、おかげで留年回避できそうだって」
「そうか」
クーラーが効き始め蒸し風呂状態の部屋が徐々に冷える。
タケルはチラッと迅を見る。学ラン姿のキリッとした格好良さから夏服の制服はセクシーな色気を纏うようになり、タケルを毎日、無自覚に誘惑する迅。
「なぁ」
「うん?なんだ?」
「も、もう大丈夫だし、迎えも良いから」
勇気を振り絞り云うが迅が露骨に不機嫌になり、語尾が弱くなる。
「なんでだ?」
「べ、別に深い理由は…」
「嘘だろ!!最近僕のこと避けようとしているだろ!!」
ダンッと迅がテーブルに拳を叩き付ける。
「またあんなことを繰り返すつもりか?」
迅の真剣な目がタケルを捉える。一寸の曇りもない瞳に見つめられタケルは観念した。

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