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赤い鴉

第1章 twilight

ネオン輝く繁華街…酔っ払いや逆ナンを避けていつも通ってるバーに向かう。今日は兄が残業で帰って来れないと云うので街に出て来た。バーに入ってカウンターで適当に酒を注文する。
「ねぇ~君ひとり?」
やたら鼻に付く香水と派手な化粧をした女が勝手にタケルの隣に座る。タケルはため息を吐いて煙草を咥える。
「あたし、これから暇なんだけど…イイコトしない?」
女が生暖かい息をタケルの耳に吹き掛ける…。
「おーい、綾瀬!!こっちこっち!!」
ひとりでゆっくり飲みたいのにしつこく絡んで来る女からどう逃げるか考えてると観葉植物の隔てたソファーに座ってる男がタケルを手招きする。タケルは知り合い待たせてるからと女に云って男の座ってる席に向かった。
「助かったよ、クロ」
クロこと黒田はこのバーに通い初めてから知り合った。クロは女の扱いが上手く、初めて出逢った時も今みたいに女に絡まれ途方に暮れてた時だった。
「どうもアヤ…」
タケルは酒を煽る程よく酔い始める、酔ってる時だけ辛い現実から目を背けていられる。
酒が回り意識がぼんやりし出したせいでクロの目付きが怪しくなっているのにタケルは気付かずにさらにお酒を煽る。
「アヤ…少し飲み過ぎじゃないか?」
「別に…まだまだイケるし」
クロがウォッカのボトルを取り上げるがタケルはボトルを奪い返しグラスに注ぐ。
「仕方ないな」
クロはタケルからグラスを奪ってキスする。急にことで驚くタケル、抵抗しようにも酔ってるせいか躰に力が入らない。クロはわずかに開いた口を強引に開かせ酒を流し込む。
「感じちゃった?抵抗しなかったことは?」
「少し酔ってただけだ、退け…」
覆い被さって来るクロを押し退けようとするが躰に力が入らない。酒のせいか体温も上がってる気がする。
「こ、こんなところで盛んな」
「良いだろ、タケルだってまんざらじゃないみたいだし」
クロはタケルの中心に触れる、直に触ったわけでもないのに痺れるような快感が走る。

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