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すきってきもち

第2章 もう一歩





_____"『付き合ってる訳じゃないのに』"


言うとおり俺達は付き合ってない

だからこそ、あの日のキスは
もっと俺を男として意識する材料になると思ってた

意識してくれてるから
店にも来てくれないんだって

なのに、百合さんは
最初から何も無かったように接して
あげくあの台詞

子供の俺には堪え難かった



お互いの立場なんてとうに忘れて
あなたしか見てない俺には…………



俺は誰より百合さんの笑顔を
見たかったはず

それが今は……_______



全部百合さんが悪いんだ
俺、もっと恋愛は上手だと思ってたのにさ


ホストの経験も、今までの恋愛経験も知識も
役に立たない



情けない姿に感情、
これ以上知られたくねぇ……


閉店18時
まで、あと30分……

予想通りだけど
現実の自分はズタズタ

閉店の支度をし始めた所で
俺も会計を済ませることにした

「外雨降り始めたみたいなので
お気を付けてくださいね」
「ホントだ、、ありがとうございます」

天気どころじゃなくて
雨にさえ気付かなかった



「はぁ、雨か……」

俺でも絶対来ねぇよ
百合さんは間違ってない




「遅く、ハァハァなって、ごめんなさいっ」

肩で息をした濡れた百合さんが______









いない


他の待ち合わせ

「来るわけないだろ、俺のばーか」

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