原稿用紙でラブレター
第2章 年上彼氏の攻略法
「相葉くんっ…ねぇ待って…ね?」
諭すように言う目の前のにのちゃんの瞳には、潤んだ膜が張って今にも零れそうに揺れている。
眉を下げて懇願するように見つめてくるその瞳に、急に居た堪れなさが込み上げて胸がズキンと鳴った。
理性が利かなくなった俺の行動は、どう考えたって自分本位でしかない。
にのちゃんだって嫌がってんのに。
何やってんだって、自分でも十分解ってる。
だけど…
そんな抵抗の合間に聞こえる艶っぽい声とか、火照った顔を歪ませて耐える仕草とか、俺を頼りにしがみついてくる小さい手とか。
その全部を感じる度に堪らなくなる。
こんなに可愛く反応する姿を目の当たりにして、正直欲望を抑えられる自信なんて欠片も残ってないんだ。
…ごめん。
こんなガキでごめん。
もう俺、にのちゃんのことしか考えられない…!
頭の中の葛藤は一瞬で、目に飛び込んでくる俺を窺う不安げな表情にまた体が熱く疼き出して。
ゴクッと一度喉を動かすと、開いた口からは掠れた声しか出なかった。
「にのちゃん、すきっ…」
「…っ!あっ!やっ…んぅっ…」
右手に意思を込めてジーンズの上を撫でながら、堪らず声を上げたにのちゃんのその喘ぎごと唇を塞ぐ。
グッと押し付けた唇を割り開き舌を絡ませて。
我慢できずに荒々しく右手を動かせば、声にならない声を漏らしながら跳ねる体が段々ずり下がっていく。
「んーっ!んぅ…」
覆い被さる下で胸板をグッと押し返されるけど、弱々しいそれは全く抵抗になってなくて。
「っ、はぁっ、やだっ…!」
「好きっ…にのちゃん好き、」
「あっ、やめてっ!やだっ、あいばくんっ…」
離した唇をすかさず首元へ寄せて、うわ言のように呟きながら。
やわやわと揉むにのちゃん自身がジーンズの中で窮屈そうに主張しているのを感じて、そっとベルトに指先をかけると。
「えっ!?やっ、だめっ…!」
カチャという音に反応したにのちゃんが、耳元で一際慌てた声を上げた。
グイッと押し返してきながら足をジタバタさせるのもお構いなく、手探りでベルトを外しにかかる。
「やめてっ!も…こんな、やだっ…あいばくんっ…!」
「ごめんっ、にのちゃんごめんっ…!」
ごめん…
許してにのちゃん…!