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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第18章 弟の・・・覚悟

コンコン・・・ガララ



『アイルちゃん、おはよう…♪』





『・・・おはよう…ございます』





翌日、病室を訪ねたボクを見て

アイルちゃんはビクっとして血相を変えた






『・・・気分は、どうかな?♪』




『・・・ぁ』




看護師を連れて入室するボクの姿に


スクラブに白衣を羽織った姿のボクに


一瞬、目をキョロキョロっとさせて


アイルちゃんはまばたきを繰り返す





まぁ・・・理由は大体の想像がつく






『・・・おはよ♪・・・痛みはどう?』





『ヘイキ・・・です』





『そっか、良かった♪

それじゃ傷口の消毒するからね・・・』





『・・・』



チラ・・・チラ


モジモジ・・・



横目でボクを見ながら

何か言いたげなアイルちゃんの様子が

伝わってくる






『あ・・・ごめん◯△用意してくれるかな?』



「?…あぁ、はい

すみません・・・すぐに」




ボクは看護師に頼み事をして

人払いをしてから

アイルちゃんと向き合う





『ふふ・・・アイルちゃん?

困ったことはなんでも言って良いよ♪』





『・・・。・・・ぁの…先生…って』






『・・・ふふ・・・そうだったね』



カシャン・・・



ボクは器具を一度置いて

改めてアイルちゃんの方を向いて告げる





『アイルちゃん・・・

君を担当する事になりました

医師の滝川です・・・よろしく♪』




ボクは、難色を示す上司に

得意の、のらりくらり術で頼んで

アイルちゃんの担当医にしてもらった



もちろん、管轄が違うから

ケガの治療が済むまでの

リミット付きになるけれど


そうして向き合うだけの時間が

とにかく欲しかったんだ。




あとは・・・やっぱり



絶望の淵に立たされたかのような

アイツにはさ

【当たり処】のひとつくらい

必要かも知れないしね?♪

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