テキストサイズ

Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第18章 弟の・・・覚悟

『・・・』



アイルちゃんは途端に黙ってしまった


まぁ、こういうことは

焦らずにね♪




『包帯換えるよ?…傷口見せてね・・・~』




『・・・』



心なしかアイルちゃんは

一瞬ギクッとした表情を見せる




『ふふふ・・・傷口

痒くなってきちゃったかな?』




何ヵ所か、包帯がほつれていた




『・・・~~。・・・ごめんなさい』





『いいんだよ♪…治ってきた証拠だよ

・・・うん、大丈夫…~この様子なら

あと何日かで抜糸出来そうだよ』






『・・・ほんとう…?』




『うん♪…アイルちゃんよく頑張ったよ』





『・・・』



ニコリ・・・




アイルちゃんは少しだけ笑った



本当に一瞬だけど


目を覚ましてから


初めてボクに微笑んだ。




本当は…問診と称して色々聞きたい


彼女が、混乱か…喪失か

なんらかの記憶障害を起こしてるのは

間違いないのだけど



果たしてどの程度…どういう状態なのか



少しでも診るなり、聞くなりして

その情報が欲しいと思うけど


こちらの焦りが伝わってしまうような事は

避けたい


なるべく普通の会話をするように

ボクは少しずつ、その様子を見ていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ