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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第18章 弟の・・・覚悟

「あっ!!すみませんっ…」

「ごめんなさいっ…!!」



リョウキがその場を去ろうと

向きを変えようとした時

何やら慌てた声が響き渡る




『?!・・・(ゲッ)』



子どもたちが蹴ってたサッカーボールが

よりによってボクらの方に飛んでくる




『・・・っ…と』


反射でボクは顔を反らして避けたが


・・・ボクの後ろには

リョウキがいたんだった…





一瞬∥あ、ごめん(笑)∥と思ったけど




『・・・っ』




さすがに顔面レシーブ

・・・なんてことにはならず(笑)



リョウキは顔色ひとつ変えずに

胸板でボールを受け止め

なんのことなくキレイに地面に落とした



へぇ・・・♪



すっかり疲れきった

魂抜け落ちたような顔してんのにね(苦笑)

そういう反射神経は鈍らないんだな?




なんて感心してる僅かな間合いに




ポン・・・トントン・・・トン…っ





リョウキはポケットに手を突っ込んだまま

ただ息をするのと同じような感覚で


地面に落としたボールを

軽々と足ですくい上げて

子どもたちの方に


子どもがキャッチするのに

ちょうど良い強さで

正確に…真ん前に

ボールを蹴り返していた




「ありがとー!!」

「すっげぇ~!」



カン高い声を上げながら

子どもたちが走り去る時




パチ・・・パチパチパチ



ちょっと、遠くから

手を叩く音・・・拍手が聞こえる

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