無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

なにか辛さを訴えている

それだけは確かなんだ




『アイルちゃん？』




『・・・ちがぅの…いいんです』






『ふふふ・・・泣いてもいいよ』



『・・・～っ』




『恐い思いするし…痛いし…不安だし

泣いてもいいんだよ♪』




『・・・～っ』





『・・・なんでも、言ってごらん♪』




ダメ元で声をかけたけど



アイルちゃんは

ついに顔を上げて

ボクを真っ直ぐに見た





ポロ・・・ポロポロ・・・っ




大粒の涙が次々に溢れて

彼女の頬を濡らしていた





『・・・みんな・・・

悲しそうな顔をしているの』






『・・・うん？・・・うん』




ボクは彼女の涙を拭きながら

ただひたすらうなずく




『・・・みんな・・・私に

笑っているけど・・・でも、みんな

ソウタさんも・・・マナさんも

すごく・・・悲しそうな顔をするの』





『・・・』





『・・・私がみんなを

暗い顔させてるの・・・っ…く…ひっ…』




なんて事だろうね・・・



初めて会った時から

わからなかったわけじゃないけど



それよりも…ずっと


周りが思うよりも…何倍も



繊細で・・・人の気持ちに敏感な



やさしい子・・・。