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『・・・だからって…実際』




『ふふっ・・・兄貴ってさ

そんなだったっけ？(笑)

意外と細かい事、慎重に考えるのな？』





『・・・』





『ま・・・仮にも医者だもんな？

そりゃしょーがねぇか・・・』







弟は…吹っ切れたように笑う

ヤケクソじゃなくて…本当に笑った





『・・・。だって、お前は…

お前は…どうするんだよ？』





『・・・簡単なことだよ』





『・・・？』





『オレは・・・ただ

∥イチから、やり直せば良い∥…だけだろ？』







『・・・。・・・は？？』







『・・・たった、それだけのこと』








『リョウキ・・・』






『それだけのことだろ？

アイツは・・・・・・

アイルは・・・生きてるんだからさ』





『・・・』





人の人生を…やり直そうなんて

口で言うほど、きっと簡単ではない


時を戻そう、なんて

願った所で…もっとも不可能なこと




変わっていくもの…変わらないもの




変わりたいと願っても

中々人は変われないように



そう…割りきれる事なんて多くない



だけどボクは

記憶をなくしたアイルちゃんの

その姿や…言動を見て


更には、ボクのこの弟の

ある種の…ぶっ飛んだその精神力を見て




人は・・・良い意味で

本当に変わらない部分


その人間の

絶対に変わらない部分



変わらないからこそ良い部分も

確かに存在するのだ、と


二人の姿を目の当たりにしながら

強く感じていた