テキストサイズ

Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第19章 僕の・・・歩む道

『フゥ~・・・』


手術室から出たボクが

無造作に着替えをして出ると




「滝川先生?」



看護師がボクを呼びに走ってくる




『・・・?♪』



「あの・・・弟さんが」




はて・・・?

弟は…とっくに・・・



ボクは雑に汗を拭きながら

看護師の指す方向に向かう






『・・・兄貴』



壁に寄りかかったリョウキが

何やら、ヘソを曲げたような顔をして

∥よっ∥…と手を挙げてチラリとボクを見る




・・・ゲッ?(笑)


ってのもヘンかな?




『・・・まだいたの?(笑)』




なにか心配事でもあるのかな?

まぁ、仕方ないよね


泣きそうな顔したコイツより

ヘソ曲げたような顔したコイツのが


ボクには見慣れてると言うか

∥それらしい証拠∥って言うかな


安心だよね





『・・・どうした?♪』




『~・・・アイルの傷』




『うん』




『腕の…一番…目立つ傷・・・

すごく綺麗に治ってるって、看護師が…』




『うん♪良かったじゃん・・・』





『・・・ゃ、だから…兄貴が』





『クス・・・さぁ、ボクは知らないよ♪』





『・・・(苦笑)・・・

キザな真似しやがって・・・(笑)』





『・・・♪』





『・・・ありがとう』



さぞかし悪態をつく元気を

取り戻したであろう弟は

∥いつもの調子∥でボクに

こっぴどく来ると思いきや



振り向くと

その一言と共に



弟は…ボクに

深く頭を下げていた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ