
ねぇもう嫌・・・
第11章 検査③
『患者の意志は最低限度で尊重する』 と、柊先生が言った。
「…」
「じゃあ、始めよっか。」
先生の一言で問診が始まった。
最近の学校生活はどうか、とか、体調は変わりない
か、とかいろいろ聞いてきた。
先生は診察台に腰かけて、うんうんと優しく頷いている。
『今エコー室空いてないから、先に検査から入ろう。事前に全部出してきて。』
柊先生から指示を受け、管を1本貰ってトイレに向かった。
するとなぜか先生も後ろからついてきた。
「あっ、気にしないで。傍にいるだけだから。」
先生が何食わぬ顔で言う。
「ほらっ、早く行こう。」
先生は多目的トイレへと私を促した。
無理やり中に連れていかれ、私が入ると先生はガチャンと鍵を閉めた。
「まってっ…」
「ん?」
「一人で大丈夫…」
「ほんとに?」
先生は扉に背を向けた。
先生?
なんか違うよ…
