
ねぇもう嫌・・・
第11章 検査③
「お腹痛いとかない?大丈夫?」
先生が、看護師に差し出されたティッシュを数枚手に取りながら私に聞く。
「ァ、大丈夫…」
先生からくしゃくしゃのティッシュを受け取り、涙を拭う。
「…僕が居ない方が良かった?」
首を横に振った。
今初めて、先生が来てくれたことを申し訳なく思う。
先生が私に手を差し伸べてくれ、私はその手を取りゆっくり起き上がる。
検査台から降りて床に立つ。
「大丈夫?」
先生は何度も私を心配してくれた。
「うん…」
「ごめんね、きっとすぐ終わるはずだから。」
「…」
「そんな泣かないの。」
