
ねぇもう嫌・・・
第13章 治療
『もう1個大きめの入れたいけどキツイな。』
異物をナカに入れたまま、柊先生が呟く。
『大丈夫か?』
大丈夫なはずがない。
堪らず柊先生を睨んだ。
『これやると血尿になるけど心配しないで。もし続くようだったらまた来て欲しいけど。』
そう言って柊先生はゼリーをたっぷり塗ってからゆっくりと抜いた。
『うん、終わり。お疲れ。』
タオルを診察台の傍に置くと、柊先生は私に背を向けてドクターチェアに座った。
「っ…」
ジンジンと痛むその場所を見たくない。
何がどうなってるのか、さっぱり……。
そばにあるタオルを手に持つと、ほんのり温かくて、すぐに冷めてしまいそう。
柊先生の背中を見つめながら、拭こうか拭くまいか考えた。
