テキストサイズ

ねぇもう嫌・・・

第4章 検査①




下着姿なのに、男の看護師も来て、燃えるような熱さを頬に感じた。


「少しチクッとするよ。」


左手を横に伸ばすと注射された。


"痛い"の2文字が唐突に浮かび上がる。


思わず目をつむった。


まだ始まってもいないのに、気持ちが沈んでいくのが分かった。


「大丈夫?」


「…」


声を出さずに頷いた。


「下から管も入れるからね。」


ごめんねと言いながら、先生は私の最後の1枚をあっさり脱がした。


「っ」


反射的に足をぎゅっと閉じる。


結局脱がされちゃうんだ。


諦めというか、絶望というか、もう期待していたものは木端微塵に破られてゆく気がした。


じわっ、と涙が出るのが感じられた。


「管は細いから大丈夫だよ。ゆっくり深呼吸して?」


「…」


「深呼吸、できる?」


「…」


「……難しい?」


素直になれない自分と、強要する先生に不安が募っていく。


「ちょっとごめんね。」


その言葉と同時に私に冷たいゼリーが塗られた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ