
ねぇもう嫌・・・
第15章 エコー
『よしー…っ』
柊先生の声と同時に靴の音が診察室に響いた。
柊先生が戻ってきたみたい…?
カチャカチャと音が気になって、少し顔を上げて前を見ると、
柊先生のドクターデスクに4,5個の小包に包まれた医療器具が見えた。
半透明の小包で、中に何が入っているのかはハッキリとは分からないけど、
ガーゼと白いタオルがいっぱいあったし、何か液体みたいなものも見えた。
「っ…」
慌てて目を逸らしても、不安ばっかりがよぎる…
『早速管抜こっか。』
柊先生が私に近づくなり足に掛けていたタオルをサッと奪った…
「っ…」
咄嗟に足を閉じて、両膝を合わせた。
すると看護師が柊先生に液体が入っているらしき容器を渡した。
