
ねぇもう嫌・・・
第15章 エコー
横になると右側に柊先生の白衣が見える。
動く柊先生の右手が怖い…
私はまた壁側を向いた。
「大丈夫大丈夫。」
若干声を作った看護師の優しい声と共に、看護師の両手が私の両肩にそれぞれ置かれた。
微妙にくすぐったいけど、まだ我慢できる…っ
…多分。。
『…』
柊先生は何も言わずにエコーの準備をしてる。
カチャカチャと機械の作業音、その機械に付けるゼリーを付ける音
1回見たことがあるから、音で何となく予測できる…
『よしー…っ。動かないで、出来るだけ我慢して。』
柊先生の声がして、すぐにエコーの機械が私のおなかに触れた…
「っ…」
身構えてたつもりなのに、やっぱり身体が震えて、機械が触れたと同時に私は身体を更に壁側に向けた。
同時に心臓の鼓動がギュッと摘まれたように痛んだ。
だけどすぐに看護師に体勢を整えられた。
機械は脇腹に廻り、更にくすぐったさが募った。
「っ……ぅ…」
瞬きをしたら涙がこぼれそうだ。
柊先生は機械をお腹に強く押し当ててくる。
そんなにしなきゃ見えないの…?
痛いような、くすぐったいような。
でも、くすぐったい方が勝った。
