
ねぇもう嫌・・・
第18章 診察
『ひなちゃん。痛いって思ったら何か合図して?』
「…」
『……じゃあ顔だけこっちに向けてくれる?』
「…っ」
"駄目だ"って動かさないでいようと思ったのに、看護師に無理やり顔を動かされた。
目の前に映る佐藤先生の姿。
足元にいるかと思ったのに、私の頭の横にいるし…っ
『うん、ありがとう。こうしたらひなちゃんの反応をしっかり見れるからね。』
「…」
佐藤先生の白衣のポケットを見つめながら
口をぎゅっと閉じた。
『…んーと……、我慢しなくていいからね。痛み と そういうの は、ちゃんとこっちで見分けるから。』
そういうのって…?
まさか…っ。
柊先生はそんな事までカルテに書き込んだの?
「んっ…っ……」
あまりに考えすぎてて、佐藤先生の"始めるよ"って言葉が聞こえなかった…。
突然Vラインを端から押されて、身体がびくんと震えた。
…感じたくない。
パンツの布も薄いし…ほんとに我慢しなきゃ…っ
『…痛い?』
「…」
微かな痛みはあるものの、これが佐藤先生の言う"痛み"なのか分かんない。
もしかしたらぶつけた後の一時的な痛みで、明日になったら治ってる…なんてこともあるかもしれない。
そんな軽い痛みで"痛い"なんて言っていいのだろうか。
「…っ……ぅ…」
そんな事迷ってたら、また…っ
そして佐藤先生は、身体を押す度に私の顔が歪んでいったのをちゃんと分かっていた。
