
ねぇもう嫌・・・
第20章 入院
そのまま、さっきと違う落ち着いたトーンで、佐藤先生が話し始めた。
「柊先生から聞いてたよ。」
「っ」
えっ…あっ、あのこと…?
「先生は柊先生と同期だから、片桐先生のことも知ってるし。」
んっ…?
なんの話…っ?
「ひなちゃんもう16歳だっけ。
先生達みんなで、もうそろそろひなちゃんに打ち明けようかなって話してたんだ。」
突然佐藤先生が立ち上がって、そのまま話し続けた。
「難しいよね。すぐには受け入れられないの、先生すごくよくわかるよ。」
そう言われて、ふと中学生の時の片桐先生の診察を思い出した。
佐藤先生の手にはどこからともなくもってきたピンクのバスタオル。
「…多分、小学校の低学年まで治療してたよ。
でもそこから経過観察になったんだ。
まぁ、その時もひなちゃん泣いて暴れてたけどね。」
そのバスタオルを私の太ももの上に掛けながら、佐藤先生が嘲笑った。
