
ねぇもう嫌・・・
第20章 入院
トントン
「っ」
とっさに後ろに振りむく。
「終わったよ。」
佐藤先生もお母さんも、小さい頃の私の手術で顔見知りだったっぽい…。
お母さんも笑顔で、佐藤先生も笑顔で入ってきた。
「お母さん、本人に伝えるか伝えないかは自由ですので。それじゃひなちゃん、また来るからね。」
佐藤先生はそう告げて私達を後にした。
「…」
最初に口を開いたのはお母さんだった。
「頑張りよ?お母さん応援してるからね。」
「うん。」
弱い自分を見せたくなくて、力を込めて返事をした。
「うん。じゃあ…お母さんもう行くから。いい子にするんよ?」
「うん。ありがと。」
お母さんが部屋を出て行くと、私もその後を付いていくように病室を出た。
