
ねぇもう嫌・・・
第21章 検査④
『注入してから5分経過後、10分経過後、それと出した後に写真撮るから。』
誰かの声がしてふと見上げると、
いつの間にか柊先生がそばに立っていた。
『今日は大丈夫そう?』
いつもより優しい柊先生の言葉に、
あのレントゲンの時の事が思い出されて、
本当に特別扱いしてくれてるんじゃないかって、
そんな勘違いをしそうになる…。
『出したくなったら出していいから。』
「っ…」
その白衣とその声を五感で感じるだけでも、胸が痛くなった。
思わず口をぎゅっと結んだ。
『…腕、冷たいだろ。』
柊先生が私を愚弄して笑った。
「っ…」
自然と涙が零れた。
『っどうした?』
気づいたら柊先生の白衣の裾を掴んでた
