
ねぇもう嫌・・・
第21章 検査④
柊先生が、白衣を掴む私の手を取りながらしゃがんだ。
顔を見られたくなくてもっと下を向く。
『大丈夫。恥ずかしくないから。』
柊先生はそう言って自分の白衣に付いた手を離そうとした。
「嫌…っ」
涙が床に落ちた。
『分かってる。』
「んっ……うぅ…っ」
唇が震えて嗚咽が漏れる。
『あと少しで写真撮るよ。』
柊先生は強引に私の手を離すと、再びマジックミラーへと戻っていった。
白衣から離れたその手は、ただ何も無い空間にぶら下がったまま。
分かってるのに、やらせるの…っ?
こんなの…っ
こんなのがっ、大事な検査?
複雑な思いが心の底から湧き出てくる。
