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ねぇもう嫌・・・

第21章 検査④



「失礼します。遅くなりました…」




誰か、部屋に入ってきた…?




「っ…」




私に近づく靴の気配。




そののち、目の上に置いていた両手を




静かに離して体の横に下ろすと、洗濯ばさみみたいなものが私の手首を挟んだ。




赤く火照った顔。




途端に目線の置き場所が分からなくなる。




新しい涙が、同じ場所に滴(シタタ)る。




まだ微妙に収まっていない過呼吸じみた浅い呼吸。





胸が静かに上下して、




ほんとに苦しい…




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