
ねぇもう嫌・・・
第21章 検査④
私の胸の上を滑らかに滑るその機械は、
止まることなく、神木先生の思うままに動き続けてる。
『ひなちゃん、一旦落ち着こうか。
深呼吸してごらん?』
この苦しみ、バレてるんだ…。
改めて羞恥を感じ、ぎゅっと唇を噛んだ。
脇近くの左胸に機械を置いたまま、柔らかい声で指示して来たのは神木先生。
「…ス-っはぁ…っ…」
駄目だ、ままになんない…。
『…ひなちゃん。』
機械を身体から離して、私に声を掛けた。
カチャ とエコーを元に戻す音が静かな部屋に響く。
「っ…」
口がへの字に曲がる。
『ひなちゃんがずっと緊張してるの、
エコーですぐ分かるんだ。
…苦しい?』
「…っ」
気持ち小さく顎を引く。
『…うん。
…恥ずかしい?』
「…」
図星を突く質問が、心臓が鷲掴みされたように痛い。
『…男3人もいるから、そりゃ恥ずかしいよね。』
神木先生が柔らかくクスッと笑うと、
他の二人も少し笑った。
如月先生が呼んだもう一人の医師が部屋に来た時、
部屋の電気を消したから、
視界は薄暗く、本当に怖い。
