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ねぇもう嫌・・・

第22章 時に神を憎むほどの出来事が襲っても…



『大丈夫。』




柊先生の左手が、私の右手を掴んだ。




「…っ」




『俺は君の味方だよ。




昨日も今日も明日も、ずっと。




だから…俺に、身体を預けて。




何時(イツ)か、俺が君の敏感な体質を利用して愚弄した事があったけど、




俺も男だからね…。』




柊先生の言葉が一転。




柊先生の心の中は本当に分からない…。




『敏感と変態は…全くの別物だよ。




検査で感じてしまうのは仕方が無いかもしれないけど、




君はそれを利用して夜のオカズにしてるんでしょ?』




「っ…」




『ほんと困った変態ちゃんだよ。』




口角を持ち上げて白い歯を垣間見せながら




柊先生は立ち上がって白衣を脱いだ。













バサッと衣類を落とす音。









『君が安心できる場所は何処にあるの?』




『もし無かったらさ、』




『少しくらい誰かを求めてみなよ。』




誘い文句。




柊先生の言葉のチョイスは、一体どこから仕入れているんだろう。









今にも私の身体に触れそうな、




ベッドの背もたれ部分に置かれたふたつの手。














何…?




遂に柊先生の大きな手が両目に触れ、




慌てて目を瞑ると、




「ん、…」




唇と唇が触れ合った。









不意打ちのキスにぱっと目を開けると、




もう目には手がなくて、




あるのは柊先生の顔。




「っ…」




涙が溢れた。




胸の奥がぎゅうっと痛む。




ベッドが少しきしんだ。









そしてもう一度、




ふたつの唇が触れ合う。








『…っ』




「っ…」




人の舌が私の口内をかき回す。




不意にその舌が口内の上をなぞる。




「ぅ…」




足がビクンと震えた。




同時に、柊先生が私から離れた。




そっと目を開けると、そこにはやっぱり




医師としての柊先生がいる。




『身体、預ける気になった?』









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