
ねぇもう嫌・・・
第22章 時に神を憎むほどの出来事が襲っても…
『じゃ、下脱いで。全部。』
柊先生が私から離れ、布団を大づかみして奪った。
「っ…」
布の中でこもっていた暖かい空気が一気に逃げていく。
『ほら、早く脱ぎな。
君も、前々から俺の下心に気づいてたんでしょ。
初めて君の診察をした時から、
学校の廊下で会った時も…。
…っ。』
そこまで言うと、柊先生がクスッと笑った。
『馬鹿だなぁ君は。
普通はあんなことしないよ?
…
あぁ、あんなこと って言っても分かんないか。』
笑みを浮かべたままベッドの傍の椅子に腰掛けると、
その椅子をもっとベッドの方に引き寄せた。
『これは君に言いたくなかったんだけど…
仕方ないな。
普通はね、
こんなに何度も検査しないよ。』
「えっ…?」
咄嗟に出た言葉と共に、目元に涙が溜まる。
『…っ。
もしかして、
…俺のこと、信じてた?』
柊先生の顔に焦りが見えた。
"うん、信じてたよ"
"全部大事な検査だから、頑張って。って先生に言われてから、
先生よりもっと上の病院に勤める柊先生が主治医になって
さらに検査が増えて…
その時秘めてた想いは、
私悪化したんだってこと。"
「ぅぅ…っ…」
涙が溢れて、嗚咽が漏れた。
『っ待てよ…っ。
っでもっ…検査で身体が熱く疼いて、
君の頭の中、狂ったように変なコトでいっぱいになったこと、
ある…でしょ…?』
「っ…」
頭を垂れて両手で顔を隠したままコクっと頷く。
