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ねぇもう嫌・・・

第22章 時に神を憎むほどの出来事が襲っても…




『検査の予約はまだ入れてないんだけどさ。明日明後日には入れておくよ。』




「…いいっ……」




駆け巡る気持ちが口を衝(ツ)く。




『ん?』




言っちゃだめだ。




もう私は子供じゃなくて、体も心ももう大人だから。




わたし、ちゃんと、聞いてね。これは大事な事で、断る理由は1つも見当たらないものなんだよ、?




もう一人の自分が、本当の素直な自分をやんわりと宥める。




だけどそれは、本当の素直な自分を消し去る行為と、何ら変わりはないんだ。




溢れてくる涙は。




静かな嗚咽は。




目の前にいる柊先生は。




分かったようで分からないこの気持ちは、




どうしてこんなに曖昧で柔らかくて腫れ物みたいなんだろう。




『どうして?』




なんとなく、柊先生に怒られてしまう気がした。




"どうせ嫌なだけでしょ"って。




でも、




違った。




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