
ねぇもう嫌・・・
第23章 夢のようで 涙はきっと現実
「朝ごはん来てるけど、食べる?」
廊下に置かれたワゴンを見て先生が言った。
「…食べない。」
私は首を振って拒んだ。
「なんだー喋れるじゃん。」
先生が笑いながら半ば強引に私の頭をくしゃくしゃに撫でた。
「じゃあ、陽菜ちゃんが食べないなら僕が食べようかな?」
若干語尾を上げて言うと、先生が朝食を取りに廊下に向かった。
何故喋れないのだろう。
とにかく先生には何も話したくない。
何も、知られたくない。
あの時は中学生だったから良かったんだ。
でももう高校生なんだよ?私。
年は変わらずとも、"中学生" と"高校生"は全く違う。
先生は、私のことをどう思っているんだろう。
