
ねぇもう嫌・・・
第23章 夢のようで 涙はきっと現実
「陽菜ちゃん本当は不安なんじゃない?」
ワゴンから取ってきた朝食をテーブルに置き、
空気を変えるように更に明るい声で先生が言う。
「えっ…」
あまりに唐突で、声にならない声が出てしまった。
先生が首を振りながらクスッと笑った後、
静かに口を開いた。
「陽菜ちゃんが頑張れるならそれが一番だよ。でも頑張れない時もあると思うんだ。」
先生の調子に、私の調子が狂う。
「入院してから3日目?4日目?何日経ってるか分かんないけど、陽菜ちゃんにとって嫌なことが沢山あったんだね。」
「…」
紺色の引き締まった形の先生のズボンを見つめ、流れるように発される言葉が心に染みてく。
