テキストサイズ

ねぇもう嫌・・・

第23章 夢のようで 涙はきっと現実






「良くなっても悪化しても、




入院生活がずっと続いても、




確実に…、ちゃんと、良い方に向かってるんだから……大丈夫だよ。」




「陽菜ちゃんは心配することないよ」




変な入り方で、それが先生の思惑なんだと分かっていても、先生の優しい言葉に独りでに涙が零れた。





「僕は、陽菜ちゃんに苦しいだとか辛いだとか……そういうの、溜め込まないでほしい。」




模索しながら先生はゆっくりと話す。




「僕じゃ頼りないかもしれないけど、僕は陽菜ちゃんが公園で話してくれた時、すごく嬉しかったから。」




ズズッと鼻水をすする。




「あの時と同じように、僕に話していいんだよ。」





「…先生っ…」




"それじゃ駄目なの。あの時と同じじゃ駄目なの。変わりたいの。"




そう心の中で叫ぶ。




先生はどんな気持ちで話しているんだろうか。


もし建前や偽りだったとしても、先生を信じてしまう私は馬鹿なのかもしれない。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ