ねぇもう嫌・・・
第23章 夢のようで 涙はきっと現実
柊先生と同様、硬くて逞しい胴体。
やっぱり顔を下に向けて、静かに泣いた。
「もう大丈夫?」
「…」
何も言いたくない。
先生は無言の私をじっと見てから、ゆっくりカップをソコから離した。
右足はまだ外れない。
白いウェットティッシュが見えた。
意図的に小さめに折り畳まれたそれは、私のソコに当てがわれた。
「んッ…」
再び、忘れていた痙攣が戻ってくる。
背中が何度も上下する。
冷たくて、優しく触れるそれは、先生の思惑通りに動いているんだ。
時にちょんちょんと触れ、また離れ、新しい面を作って再び触れる。
乱れた呼吸に伴うかすれた高い声、それを人は喘ぐという。
私と先生の間だけで聞こえる"もういい?"って囁くような声に、ちゃんと頷いた。
股からカップを離すと、先生の右足が離れた。
「っ…」
先生はそのカップを看護師に渡している。
これ以上の屈辱があるというのなら、私はそれを見てみたい。
「台降りな。」
先生に言われて、ストンと降りる。
"頑張ったね" と看護師は声をかけてくれたけど、
それは一体どんな心持ちで言ってるの?
私だって好きでこんなのになった訳じゃない…
ねぎらいの言葉なんかいらない…
また1粒涙が零れた。