ねぇもう嫌・・・
第25章 天邪鬼(アマノジャク)
「…はぁ…。」
肩で息を吐くと、面白いほど肩が沈んだ。
左手で管を持ってるのは少し恥ずかしい。
私は立ち止まって、パーカーの前のポケットに仕舞った。
どうしようー…。
とりあえず普通にトイレして、管は封を開けて使ったフリをすればいいよね。
…バレない…よね…?
「っ…」
突然心臓がバクバクと鼓動を早め、呼吸が浅くなる。
待って待ってっ!
ダメだってっ!
こんな廊下で倒れちゃダメっ…っ
大丈夫大丈夫、大丈夫だよ私っ。
怖くない怖くない、バレないバレない…ね。
咄嗟に掴んだ胸元付近のパーカー。
掴んだ手にどんどん力が強くなっていくのを自覚する。
ほんと弱いな…。
トイレはもう目の前。
振り切ったように早足でトイレに逃げ込んだ。