ねぇもう嫌・・・
第25章 天邪鬼(アマノジャク)
『ホントすごい嫌そうだね。
こんなもんに負けてたまるかって、
強がってても無駄だって、やっと分かった?』
ジェルを"私"と管に塗って、それを挿入(イレ)ると柊先生が私に向かって言った。
「っ…」
必死に顔を背けた。
組んだ両腕の上に顔を載せて、目を閉じた。
耳と感触が敏感になる。
強がってたつもりはなかったけど…。
泣いて中止になるなら喜んで泣き喚(ワメ)くし、黙秘を貫き通した結果白紙になるなら、私は暴力を振るわれても意地でも声を出さないと思う。
それ位、私は"私"が嫌だった。