ねぇもう嫌・・・
第25章 天邪鬼(アマノジャク)
て、適当に入れてみる…?
…でもそれって大丈夫なのかな、。
変なとこ入れたくないし…何より痛そう…っ。
とりあえず、手を動かさなきゃ。
わっ!
え…?ち、近すぎない…っ?
革靴の音がしたと思ったら、壁にもたれかかってる私の目の前に柊先生が立ってる…。
私の足先が微かに柊先生の白衣に触れている。
な、なんか喋ってる…っ?
『すみません、予約取らずに使ってしまって。
今使います?』
え?嘘、人が入ってきたの?
あ…そういう事か…。
入ってきた人に見られないように、私の目の前に立って私を隠してくれたの?
なにそれ…や、優しすぎでしょ…。
タオルとかカーテンとか色々手段はあったはずなのに…、ダメだ、私惚れすぎ、。
『ごめんね。ほんのちょっと見られたかもしれないけど。
まあ看護師だったし、安心して?』
あ、安心します、すごく。
そっと私から離れる柊先生を、左手で慌てて掴んだ。