ねぇもう嫌・・・
第25章 天邪鬼(アマノジャク)
そっと管を入れると、そこを伝って液が流れた。
暫くの間沈黙が流れる。
身体中が熱く火照って、動かせない指先は冷たく悴む。
気付けば私の目の前には椅子に座った柊先生が居て、右側には看護師の佐伯先生が立っている。
囲まれているというには少し大袈裟で、だけどただその場に居合わせている訳じゃない。
一見難しい距離感だけど、今の私は違う。
大っ嫌い、だけど側にいると安心する、だから好き。
そんな冷たくて温かい人が一人いるだけでも、ほんの少しだけこの時間をやり過ごせる気がした。