ねぇもう嫌・・・
第25章 天邪鬼(アマノジャク)
それから夜がきた。
朝からリハビリ室みたいなところに連れていかれて、
あんな場所であんな事をしたの。
一生で一度の経験だと信じたい。
窓から見える満天の夜空は未来永劫変わらず輝く。
窓の方に顔を傾けていたが、そっと枕に頭を預けた。
そうして目を閉じる。
“事(コト)”が終わり病室に戻ると、あの場にいた佐伯がねぎらいの言葉を掛けてくれた。
いつもなら俯いたままで心底嫌だってアピールするのに
あの時私は首を横に振ったんだ。
それは、私がいつも以上に頑張ったからなのか。
いつもと違う心持ちだったからなのか。
苦い経験なのに、どうしてだろう。
佐伯に、
ありがとうと告げる日はきっと近い。